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8月16日  「新野盆踊り」(にいのぼんおどり)  その2
バスは夕暮れの山並みをぬけて
日も傾きかけた頃。
ようやく新野行きの最終バスが到着しました。

夕暮れの山並み
もちろん乗客はわれわれ2人だけです。

温田駅を出発し、天竜川を渡ると、そこからは坂道をひたすら登っていきます。窓からは、夕映えの赤石山脈の見事な山並みが、延々と望まれます。途中いくつかの集落では提灯がかかっていました。おそらく今晩、このあたり一帯で送り盆の盆踊りがおこなわれるのでしょう。

山道は深い山中を蛇行。暗い森や奥深い渓流を越えて、少しづつ高度を上げていきます。
1時間ほども走ったころ。突然平野が開けました。

のどかな山村の中をバスは進んでいきます。この一帯が「新野高原」です。
標高約1,000mの高原で、昔は三河−信濃をつなぐ交通の要衝だったということです。

新野よいとこ千石平
嫁にやりたやもらいたや

(新野盆踊り歌より)

バスはさらに少し走って街道筋に入り、中程で止まりました。
薄暮の中、ようやく「新野」のまちに到着です!
「送り火」に感激

点々とともる送り火

送り火で先祖を送る
バスを降ります。
通りをよく見ると、家々の前の路上で、何か小さな枝のようなものが燃えています!

送り火だ!」

早くもゾクゾクしてきました。さっそく通りを進んでいくと、おじいちゃんが、お孫さんたちに送り火の焚き方を教えています。
ほのぼのとした光景です。

「送り火」というものがあることは知っていました。しかし、実物を見るのは柳田はこれが初めて。多くの地域ではすでに失われてしまった習俗だし、盆踊りと送り火の両方が残る新野は、さすが貴重な民俗を残す地域、とすっかり興奮。
ところが石光はけげんな顔。あとで聞いたら、石光家はいまも家で送り火をやっているので、別段珍しくもなかったそうです。

とはいえ、夕暮れの山里の送り火の光景は、しみじみとした感動を与えてくれたのでした。
二人ともすでに相当疲労の色が濃くなってきました。

ここは腰をおちつけたいところですが、なにせ本日は「宿無し」。旅館の少ない新野では、すでに予約が一杯で、結局一部屋もとれなかったのでした。今夜はとうとう本当の徹夜です。唯一のたよりは、役場の人から得た「仮設休憩所があって、仮眠ができる」らしいという事前情報だけ。通りを歩いていくと、たしかに通り沿いの民家の一階が開放されているようです。これで、とりあえず少し安心。
 
街の食堂に落ち着いて、夕食をかねつつ今日の踊り&取材戦略を練ることにしました。
店内は、見物客や地元の人たちですでにけっこう賑わっています。名物「五平餅」定食とビールで栄養補給。
隣の席には、やや年輩の女性が一人きりで食事をとっています。聞いてみると、かなり遠くからこの盆踊りを見に来たとのこと。やっぱりいました、盆踊りファンが。
「切子灯籠」集まる
午後8:00。

夕食を終え、一息ついて外へ。町はすっかり夜の闇につつまれています。

通りの中央の踊り櫓付近では、ぼちぼち盆踊りの準備が始まっているようです。踊り保存会前のベンチに陣取って待っていると、急に事務所の前に軽トラックが一台止まりました。デジカメを構えつつ、見るとトラックの荷台には見事な「切子灯籠」が…! 新野では、その年の新盆(新仏)の家で使われた灯籠を、この日に互いに持ち寄り、踊り櫓の周囲に飾るのです。

その後切子灯籠は次々と到着し、今年は全部で「23個」(と聞こえました)。つまり、新野で今年亡くなった人は23人いた、ということがわかるのです。

切子灯籠が到着

櫓の周りに吊していく

記念撮影も。
奥美濃地方の盆踊りでは、切子灯籠は抽象化されたものでした。ここの切子灯籠は、まだ人の「死」のリアリティを持っています。お盆の最終日である15日夜、切子灯籠は踊り櫓の周囲に飾られ、その周りで地域の人たちが夜を徹して踊り明かします。文字通り新精霊とともに踊る盆踊り。だから、盆の主役は新精霊であり、またその家族といえます。おそらくは中世にさかのぼる、忘れられた盆踊りのこころを、今なお新野では見ることができます。

踊り櫓の準備ができあがるのを見たり、付近を散策しながら踊りの開始を待ちます。ところが、さっき見た「仮設休憩所」では、なんだか人が集まって講演会らしきものが始まてしまいました。「あとでちゃんと寝かしてくれるよね?」と、休憩所頼みのわれわれはまたまた不安に。
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