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全国盆踊り


白石踊りの概要−基本のぶらぶら踊りと12種のヴァリエーション

◆特徴
白石踊りの特徴は、「1種類の曲(音頭)に合わせてそれぞれが思い思いの踊り方で踊る」(白石踊りツアー資料)ことです。
振付も衣装もことなる複数の踊りが同時に踊られる様子は、「一幅の絵巻物」とも表現されます。 ただしその魅力は「静止画」のような固定したものではなく、あくまでもそれぞれの踊りの動きの中でたちあらわれる「調和の美しさ」であるといわれます。

◆形態
輪踊りです。音頭取りと踊り櫓・傘を中心に、踊り子が輪になって踊ります。踊り子は思い思いの場所に入って踊り、定位置といったものはありません。2〜3人の仲間が衣装・踊りを揃えて入ってくるため、全体にパッチワークのようなカラフルな輪ができます。

また2002年のツアーの時は、輪が一重で時計回りで踊られていましたが、踊り子が増えてくると、外側に新しい輪ができ、内側と反対方法に回るとのことです。儀礼上の方向性よりも、演出効果に配慮した伝承のようで、興味深い点です。
◆踊りの種類

白石踊りには、実に12種類もの踊りがあります。
                白石踊りの種類      
@ぶらぶら踊り E奴踊り J鉄砲踊り
A男踊り F笠踊り K真影踊り
B女踊り G大師踊り
C娘踊り(月見踊り) H阿亀(おかめ)踊り
D扇踊り(二つ拍子) I梵天(ぼんてん)踊り

盆踊りに複数の踊りを踊る土地は珍しくありません。その多くの場合、さまざまな時代の流行の踊りを取り入れて、数が増えていくというパターンです。しかしながら、白石踊りはこのケースにはあてはまらない、たいへんユニークな事例です。

白石踊りでは、この13種類の踊りの中に基本となるもっともシンプルな踊りである「ぶらぶら踊り」があり、他の踊りはすべてこの踊りと同じ足さばき、いわば「バリエーション」(変奏曲)となっているのです。
ですから、白石踊りを覚えるにはまず「ぶらぶら踊り」から、ということになります。

まず「ぶらぶら踊り」から
◆踊りの選択

現在の白石踊りでよく踊られるのは、次のような踊りです。踊りの選択は全く自由なのですが、踊りの雰囲気や踊り手の性別・年齢によって、おのずと好まれる踊りの傾向があります。
 
笠踊り 男の子、男性一般
娘(月見)踊り 女の子、若い女性
女踊り 中年以上の女性
男踊り 男性一般
奴踊り 男性一般
二つ拍子 若い女性
ぶらぶら踊り 一般
              (資料)白石踊りツアー資料をもとに作成。

◆踊りのコツ

白石踊りは「アクセントの効いた太鼓と歌のリズムによって生み出されるエネルギーを全身で放出 させながら踊る」(ツアー資料)のが特色です。このため、「常に全身を使い」、流れるように。時には ダイナミックに踊ることが大切です。
ツアー資料によると留意点は、


  @アクセントをつけて
  A中心から末端へ
  B遊びの動き−個性豊かに
などとなっています。
なお、以下の踊り方の解説ではビデオ「白石踊り」(白石踊保存会)を参考にさせていただきました。
一、ぶらぶら踊り

白石踊りの基本となる踊り。動作の面では、他の13種類の足の動きの基本となります。
「島の盆」ツアーの最初のプログラムはこの「ぶらぶら踊り」で、踊り保存会の人たちの指導で、参加者全員がまず最初に覚えます。
このぶらぶら踊りは、疲れたときに休みながら踊るとき、気楽な気持ちで長時間踊るときに踊るといわれ、華やかさに欠ける感じがします。
しかしながら、単純で基本的であるがゆえに、この踊りは白石踊りのもっとも早い時期に成立した重要な踊りとも考えることができます。じっさいこの踊りは江州音頭などと同じいわゆる「6動作」型の踊りで、東京の佃島盆踊りとも共通性が指摘されており、古い時代の念仏踊りのスタイルをよく残しているものといえます。長時間踊ることができるというのも、徹夜で供養踊りを踊った古来の伝統に添ったものということができるでしょう。
踊り方
「1つ −両手(あげる)」
「2つ −右手」 
「3つ −左手」
「4つ −両手」
「5つ −両手動作」
「6つ −手拍子」
という、典型的な「六動作」の踊りです。
二、男踊り

男性的で、ダイナミックな踊りです。その名の通り、おもに男性が踊ります。衣装では、老年層は羽織をつけて踊ります。
踊り方
壮年では大きな振りでダイナミックに、老年層は無理なく踊るのがポイントといわれます。
三、女踊り

おもに中年以上の女性が踊ります。女性の優雅さを表現した踊りです。
踊り方
手首を極端に曲げ、膝を優雅に屈伸して、女らしさを強調する踊りです。
四、娘踊り(月見踊り)

主に若い女性が踊ります。衣装は、袖の長い歌舞伎風の衣装を使い、頭も頭巾で覆います。
女性らしい優雅さと少女のあどけなさを表現しています。
踊り方
手指をすっきりと伸ばして踊ります。両手をゆるやかに挙げて、月を眺める所作が特徴的です。
五、扇踊り(二つ拍子)

おもに若い女性によって踊られます。他の踊りがすべて12拍6動作で踊られるのに対し、この踊りだけは24拍12動作という2倍の動作数になっており、他の踊りが2順するうちに1順するかたちになります。衣装では、名前の通り扇を優雅に使って踊ります。
踊り方
女踊りの手の動きとよく似ています。扇を使った所作は「蝶のように」と表現されます。

六、奴踊り

成年男性によって踊られます。尻はしょげの格好で、奴(やっこ)の動作をまねた、素朴で芝居がかった動作が見どころです。
踊り方
歯切れのよい、リズミカルな動作で踊ります。歌舞伎のような大きな振りがポイントです。  
七、笠踊り

衣装は奴踊りと同じですが、笠を手に持った大きな動きになります。大名行列の奴の様子を表現しています。
踊り方
笠の動きがアクセントです。
八、大師踊り

おもに老年女性が踊ります。修行僧やお遍路さんをほうふつとさせる興味深いいでたちで、左手には鉦、右手は指先にばちを持ち、手拍子のところで打ち合わせます。
踊り方
全般に動作も控えめで小ぶりな動きです。礼拝の所作などもあります。
九、阿亀(おかめ)踊り

「おかめ」は、日本の民俗芸能ではいわば女性(女装のケースも多い)の道化役で、また人気者でもあります。このおかめ踊りもまた、ユーモラスな所作を加えたおかしみのある楽しい踊りです。
踊り方
両手を前や後ろでうち合わせるなど、ふつうと違う動作でおかしみを誘います。
十、梵天(ぼんてん)踊り

おもに少年たちが踊ります。梵天(ぼんてん)とは山伏・修験者の持ち物で、長い棹の端装飾をつけたいわば「魔法の杖」です。この踊りでは梵天を振って飛んだり跳ねたりの元気のよい踊りです。二人組で踊ることが多く、その場合は動作の途中で梵天をうち合わせるような動作が入り、アクセントとなっています。近世、修験者たちは芸能の伝播の伝えた各地の芸能にはこの梵天を使うものが多く、白石踊りの形成過程で修験者の関与した可能性を強くうかがわせる踊りでもあります。
踊り方
梵天をのびのびと振り回したダイナミックな踊りです。
十一、鉄砲踊り

源平合戦の故事に取材したと思われる、揺れる船の上で弓を射る動作が入ります。
踊り方
振りが大きくダイナミックな動きがポイントです。
十二、真影踊り

これもユニークな道化風の踊りです。左右の様子をうかがい、人の踊りをまねようとしているような、おどけた所作がポイントです。
踊り方
左右をうかがうような所作、ぶるっと体をふるわせるようにして手拍子を打つ動作など。
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