目次
踊りの概要
音頭台を中心に、東西500mほどの細長い輪になって踊る。進行方向は、時計回り。
踊りは8種類あり、うち7種類を適宜繰り返して踊ります。
踊りの種類の分布(水窪の念仏踊り)
テンポは、ゆったりとしたテンポで一晩を踊り明かします。
踊りは、手踊りと扇踊りの二通りあります。手踊りが3曲、扇子踊りが4曲。
扇子踊りでは、採り物として踊り子が全員手に「踊り扇子」を持って踊ります。扇子を持って踊る踊りは各地にあります。意味は、うちわと同じでしょう。扇の持ち方にも特徴があります。手踊りの際は、帯などに差しておきます。
・踊りの振りの成立には、日本舞踊的な雰囲気。
・曲名は、それぞれ歌詞の始めの文句を採用したものです。
踊りが始まると、朝まで踊り続けなければならない
音頭取りと踊り子の掛け合いによって進む、古式の盆踊りを目の当たりにすることができます。感動的です。
夜更け 人数へり、踊りの輪が小さくなる こんなものか?
明け方 いつのまに沸いて出たのか、驚くほどの人たちが数百人にもなろうか
すくいさ
盆踊りが始められるときに、きまって最初に踊られるのがこの「すくいさ」です。
「ひだるけりゃこそ すくいさ来たに」の歌詞にある「すくい」とは、柳田国男によれば飢饉の際の救済のための施設をさしているということです。ここから、盆踊りには当時の飢饉の死者達の鎮魂の記憶が残されていると考えられています。
踊り方
扇踊り
うた
代表的歌詞
「ひだるけりゃこそ すくいさ来たに
たんとたもれよ ひとすくい」
高い山
「高い山から」 の歌詞は、中世に大流行した小歌の歌詞で、全国に分布残存しています。この歌詞からも、新野の盆踊りが中世から近世の早い時期にかけて多くの歌や踊りを取り入れてきたことがわかります。
踊り方
素朴な手踊り。
うた
基本パターン
あ たーかいやーまーかーら(ソレ)たにそこみーればよー
あ うーりやなーすーびーの(ソレ)はなざーかーりだよー
代表的歌詞
「高い山から 谷底見れば 瓜やなすびの花盛り」
「行者山から 新野をみれば 人は丸いが 田は四角」
「松になりたや 峠の松に 上り下りの 客をまつ」
「松という字は 木扁に公(きみ)よ きみに木がなきゃ 松じゃない」
十六(じゅうろく)
踊り方
手踊り
うた
代表的歌詞
「根羽ね十六 習いたきゃござれ 金の四、五両も持てござれ」
音頭
踊り方
扇踊り
うた
代表的歌詞
「音頭とる子の 声なら欲しや 深山ならしの 蝉のこえ」
おさま甚句
「おさま甚句」は、新野盆踊りのはじまりを伝える貴重な情報を含んでいます。「おさま甚句はどこからはよた 三州振草下田から」の歌詞から、新野盆踊りがもともと三河国(現愛知県)振草地方から伝承されたことを示しています。
踊り方
扇踊り
うた
基本パターン
「あ おさま甚句はどこからはよた 三州振草 おさま 下田から」
代表的歌詞
「おさま甚句はどこからはよた 三州振草下田から」
「三州振草のいも田楽は 親もさせるが 子もさせる」
おやま
踊り方
扇踊り
うた
代表的歌詞
「おやま買う金 私におくれ」
「わしがおやまの代をする」
能登
新野盆踊りの中でもっとも重視される踊り。
古い盆踊りでは、踊りの最後に「霊送りのため」に特別な曲を踊ることがあります。能登は、こうした踊りの代表的なもので、1年間に1回だけ、「踊り神送り」のこの時しか踊られません。
テンポを上げた踊りを若い衆の小グループが踊ります。
踊り方
手踊り。足をぐっと踏ん張りながら、こぶしを担ぐ動作。かけ声も男性的で力強い感じがします。最後の踊り神送りの重大行事に供え、いま一度気合いを入れるという感じです。
うた
代表的歌詞
「能登へ能登へと 草木もなびく 能登は草木の本元だ」
「能登の鯖売りゃ いつ京へ上る あさっちゃ祇園のあとやさき」