北茨城市大津漁港で、早朝の盆行事「大津の盆舟流し」とじゃんがら念仏を見学しました。
念仏芸能「じゃんがら念仏」の分布の中心は福島県いわき市で、茨城県北部は分布の南限にあたります。ここ大津では、新盆の家々の供養のほかに、16日早暁の地域の送り盆行事「大津の盆舟流し」(県無形民俗文化財)にもじゃんがらが登場します。
◼️超早朝の盆行事
まだ夜が明けてまもない5時すぎ‥
町じゅうの人々が、ぞくぞくと大津港の埠頭めざして集まってきます。
新盆の家々が持ち寄るのは、思い思いの装飾を施した「盆舟」。
会場中央のとりわけ大きな盆舟「大津丸」はむかしながらの藁製です。
◼️供養のじゃんがら念仏
6:00過ぎ、読経・焼香に続いてじゃんがら念仏が始まります。
楽しみとしての盆踊りとは異なる、”新盆供養のための盆の踊り”です。
踊りはストイックな雰囲気の中にも軽妙なステップ変化を含み、お囃子もどこかグルーヴなノリが。惚れ惚れとするようなパフォーマンスです。
◼️クライマックス「盆舟流し」
新盆の家族の手で、港に盆舟が浮かべられました。
数珠つなぎにつながれた、数十隻の盆舟。
じゃんがらの舟に囃されながら、港の中をゆっくりと周回していきます。
やがて人々に見送られつつ、盆舟は港の外へと曳航されていきました。
朝7:00、行事終了です。
日本の沿海地域に分布する送り盆の「精霊舟行事」。
新盆供養の芸能「じゃんがら念仏」。
ふたつの民俗が一体化した、見ごたえある港町のお盆でした。
◼️外部リンク
■開催情報
日程 | 開催期間 8月16日 |
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場所 | 茨城県北茨城市大津町 |