日程・プログラム
日程・時間
◆現在奈良県十津川では、8月の月遅れ盆による盆踊りが集落ごとに広く行われています。
このうち、中世以来の貴重な「大踊り」を残すのは、「小原」「武蔵」「西川」の各地域で、それぞれ開催期間をずらして踊りが開催されます。
かつてはいずれの地域も「徹夜踊り」で、休憩をはさみながらも明け方まで踊り続けられていましたが、現在ではいずれも夜12:00前後にはお開きになります。
地域 | 日程・時間 |
小原 | 8月13日 19:30~23:30(予定) |
武蔵 | 8月14日 19:30~24:00(予定) |
西川 | 8月15日 20:00~24:00(予定) |
資料)「十津川の大踊り」十津川村教育委員会
◆盆の「道普請」を行う8月1日、ないし「7日盆(旧7月7日)」を区切りとして、地域単位で「ならし」(踊りの練習)を行います。そして、かつては16日の「送り盆」に、送り踊りとして盛大に盆踊りを踊っていました。また小原などでは、八朔(旧8月1日)にも踊っていたとのことです。
プログラム
◆小原・武蔵の両地区では、現在さまざまな踊りを踊った後、最後に「大踊り」を踊って終わりになります。両地域では大踊りはそれぞれ1つづつ伝承されています。
西川地区では「いりは」「よりこ」「かけいり」の3種の大踊りが伝承されており、数十種類におよぶ他の踊り(「馬鹿踊り」といわれる)の合間に踊られます。かつては武蔵地区でも、「十三四五」「鎌倉踊り」「御城踊り」などの複数の大踊りが伝承されていました。
また小原地区では、かつては大踊りの後で「中入り」があり、酒食を楽しんだあと、伊勢音頭を明け方まで踊ったそうです。
踊りの場所
◆十津川の盆踊りの踊りの場所は、各地域とも長い歴史の中で幾度かの移動があったようです。
小原地域では、かつては寺の堂内で踊っていましたが、現在は地元の小学校の校庭で踊られます。
武蔵地区では、かつては光明寺の堂内で踊られており、戦後しばらくはまだ屋内で音頭取りを中心に踊られていましたが、現在ではかつての小学校の校庭で櫓を組んで屋外で踊られます。
西川地区も現在は地元中学校の校庭や体育館の中で踊られていますが、以前は河原で、さらに昔は寺の堂で踊られていたということです。
◆中世の奈良における初期盆踊りの記録にも、堂内で踊っていた様子が記されており、十津川の盆踊りの起源の古さを示しています。現在体育館の中などで踊られるのも、雨天への対応という理由ばかりでなく、こうした「堂内」「屋内」で踊るという盆踊りの場所問題にからめて理解することが必要かもしれません。
踊りの施設
音頭台(踊りやぐら)
◆踊り櫓を使う地域と使わない地域があります。西川地区では、踊り櫓を使いません。
小原地区では、小学校の校庭に櫓を組み、中央に青竹を立て、「はっぽう」(八方提灯)をつり下げて踊ります。踊りの広場の中心には踊り櫓が据えられ、「音頭取り」が一人上に乗って音頭を歌います。
西川地区では、やはり櫓を組んで音頭台とし、その周囲を踊ります。