東照宮や華厳の滝で知られる名勝日光。夏の夜、年に1日だけ、和楽踊りの囃子がこだまします。場所は清滝にある、古河電気工業日光事業所内。会場は、電飾で明るく照らされ、踊りはじめの夕暮れの空には丹勢山が、その存在感のある姿をうかべています。地元の方、工場の方たちの踊りグループの見事なチームワーク。
日光精銅所時代、大正天皇行幸の後の、祝宴の席で、1人の老人が音頭をとり、居合わせた一同がそれに和して踊りだしたのが始めといわれます。その後、記念祭の行事に踊りを取り入れることを企画したものの、当時、県は「盆踊りは風紀上好ましからず」と厳禁しており、それならばと「和楽踊り」と命名し、「名誉にかけても健全な娯楽にしてみせる」と知事と口約して実施が認められたといいます。大正人の心意気を感じます。歌詞は社員から募集、踊りのうち、笠踊り、手踊りは当時、この地方でどこでも踊られていた盆踊りが原点です。
人と人とのつながりを大切にした日光精銅所以来伝統の「和楽の精神」から命名されたこの踊りは、今も、工場と地元の人の心をつなぐ暖かさがあります。
開催情報 | |
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日程 | 8月第一金曜日 |
場所 | 栃木県日光市清滝 |
アクセス (公共交通) |
電車・バス JR日光駅、または東武日光駅よりバスで清滝派出所前下車。踊り当日は、無料で乗ることができます。 |