いまや沖縄ばかりでなく、内地でもたいへんな人気の「エイサー」。もともとエイサーは沖縄の盆踊りにあたり、内地の盆踊りと同じく念仏踊りを起源とするお盆の芸能です。そして沖縄では現代エイサーと並んで、いまも多くの集落で昔ながらの伝統エイサーを見ることができるのです。
私たちが訪れた世富慶(よふけ)は、本島北部・名護市郊外にあります。旧盆7月15日の夜、青年会の若者たちが公民館の庭で踊り始め、そこから地域の拝所(うがんじょ=ほこら)を訪れて踊って行く「道ジュネー」となります。
世富慶エイサーの素晴らしい点は、単に伝統を残していることにあるのではなく、その歌や踊り、パフォーマンスそのものがたいへん魅力的なことです。次々と移り変わる手踊りの、美しくも躍動的な手振り足さばき。「イヤササ、ハイヤ」の囃子詞の掛け合い。四ツ竹や扇のパフォーマンス。そしてシマウタ。月夜の街角で踊る世富慶の若者達は、まさにこのエイサーに”惚れている”という感じでした。
内地の盆踊りと不思議なくらい共通点があり、それでいてあくまで沖縄の芸能である、エイサー。この沖縄取材行は、私たちの盆踊り探求にも新たな視点を与えてくれました
開催情報 | |
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日程 | 旧暦7月15日(新暦の開催日程は年により異なる) |
場所 | 沖縄県名護市世富慶 |
アクセス (公共交通) |
那覇バスターミナルより高速バス名護行(111系統)。世冨慶停留所下車。 |